2012年12月11日火曜日

ロールプレイヤーの楽園Second Life―その1

1年以上ぶりの更新となる。
以前のエントリと同じような表現が見られることもあるが、お許し願いたい。

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Second Life(以下、SL)ではロールプレイングゲームがたいへん盛んだ。そもそもここはメタバース、夢の仮想世界。世界全体がごっこ遊びの世界なのだから、ロールプレイとSLはもともと親和性が高い。エロがSLの代名詞であった時代に生まれた(そして今も存在する)"escort"と呼ばれるバーチャルデート&セックスシステムは、会話していちゃいちゃするモーションを再生して"やらかす”だけ、とたいへん簡略化されてはいるが、紛れもなくロールプレイの一種といえるだろう。この、セクシャルな嗜好に基づく派閥というのも、ものすごくたくさんあるのだが、それはまた今度。

(この辺に2012年時点での、SL内ロールプレイエリアの名所を挙げていこうと思う。調査中。あなたがこの記事を見るころには、これらの場所は消えてなくなっている、あるいは移転しているかもしれない。SLでは土地は草木のごとく生えてきたり、なくなったりを頻繁に繰り返すのだ)

SLのロールプレイはHUD(直下のパラグラフで説明する)+プレイヤー同士の会話でリアルタイム進行していく。ロールプレイエリアとプレイヤーコミュニティを統括管理するゲームマスター(以下、GM)は存在するが、プレイヤー個人、またはプレイヤー集団の動きを監視したり、ましてや直接判定を下したりすることはない。プレイヤーはSIMの世界観をじゅうぶん理解し、運営陣の掲げるルールとマナーを守った上で、そのロールプレイSIMの指定したHUDを装着する。そうして定められたエリア内で、ルールの許す範囲で自由に行動し、ロールプレイを楽しむのだ。ロールプレイエリアの一員となるには、入会手続きが必要となる。運営陣の審査を受けることもある。HUDは有料の場合が少なくない。

HUDはテーブルトークRPG(以下、TRPG)のキャラクターシートであり、コンピュータRPGで言うならインターフェースの役割を果たす。頭上に種族、派閥、現在ライフ、現在マナなどのステータスを表示する。これは他のプレイヤーからも見ることのできる情報となる。自分の画面には、戦闘行動の決定を行うボタンや、キャラクターのステータスが表示される。プレイヤー同士が即興で繰り広げるロールプレイは頭を使うが、充実したものであるという。時間がなくても、プレイヤーとしての(OOC=out of character、キャラ外)発言を織り交ぜることで柔軟に対応することができる。

ロールプレイHUDは 戦闘行動寄りのものが多い。著名なものを2つだけ紹介する。
参考リンク:DCS(Dynamic Combat System)とそれらに対応した武器たち 
Facebookのページ。公式サイトは情報がなさすぎる)
参考リンク:CCS(Community Combat System)公式サイト
(古くから採用されているコンバットシステム。やはり公式サイトは読みづらいがしかたない)

戦闘がまったく発生しないロールプレイエリアでは、HUD自体を使用しないこともある。頭の上にネオンカラーのホバーテキストが表示されることが、景観を台無しにする可能性もあるからだ。

ロールプレイの大半は、プレイヤー同士の会話によって進行する。出会ったプレイヤー同士が自主的にアクションを起こすことで、物語は流動的に進行していくのだ。HUDを装着したプレイヤー同士の会話は、特に注を入れない限りキャラクター同士のものとされる。

たまたまそのエリアに一人しかいなかったとしても、自分が"このキャラクターは今一人でいることを楽しんでいる"と考えればそれはロールプレイだといえる。そのまま待っていれば新たなプレイヤーが現れ、"私はひとりぽつんとたたずんでいる彼(彼女)を見つけた。声をかけてみようか?"というような、ロールプレイのきっかけとなることもできる。二人が出会って、会話によって展開された物語を、親しいという設定のキャラクターや、派閥の同志に伝えれば、二人の物語は共有された知識として、話を伝え聞いたキャラクターの物語のトリガーとなりうる。先に出会った二人のキャラクターがいさかいを起こしたとしよう。片方のキャラクターがその後、それを兄弟役キャラクターに伝えたとしたらどうだろう。兄弟は"お礼参り"を企てるかもしれない。もしくはどちらも、その日の揉め事を誰にも話さなかったとしよう。その出来事は誰にも知られることはないが、再び出会った時には、"お前はあの時の!"と怒りを思い出し、更なる物語を開く可能性を手に入れたことになる。(ロールプレイがわからない人にはどこまで説明すればいいのだろうか? ここまでくどく例を書く必要はあったろうか。)

前々回のエントリでも述べたが、やはりロールプレイにはある程度の英語力が必要となる。それ以外の指定言語があれば、その言語能力が求められる。日本語に対応したロールプレイエリアはかなり少ない。ないとはいわないが、ほとんどない。筆者には日本出身のロールプレイヤーの知人が数人いるが、みな英語でのプレイを楽しんでいる。

(後で書き足します)

2012年11月30日金曜日

怠慢

たいへんだ、1年さぼってしまった。
近いうちにロールプレイの続きを書こう。

2011年11月8日火曜日

ロールプレイヤーの楽園―序

10月は更新することができなかったが、いよいよ このブログを立ち上げた動機となった、Second Life内での"ものづくり"、"買い物"、"カネ稼ぎ"以外の大きな楽しみとなる"ロールプレイ"について語っていきたい。書きたいことが多すぎて、話をうまくまとめられるとは到底思えない。何度かロールプレイ関係の記事は書き直しや分割を行うことになるだろう。また、このトピックスに関しては、実際の現役ロールプレイヤーである筆者の友人知人の協力を得て記事を作成していく。

ロールプレイ(ロールプレイング)そのものについては、説明をしたほうがいいのだろうか。ルールに基づいたなりきりである、と説明するのはあまりに乱暴だろうか。Second Lifeで体験するロールプレイング(こちらの表記のほうが正しいのだろうが、以下ロールプレイと記す)とは、コンピュータロールプレイングゲーム(CRPG)や、髪の逆立ったモノのわからん少年が世界を救うような筋書きを往くいわゆるJRPGでもない、テーブルトークRPG(TRPG)に非常に近いものとなる。これは英語ではtabletop RPGや pen and paper(PnP) RPGのような表現をするが、このブログは対象読者を日本人としているため、今後もテーブルトークRPGと表記する。

SLには、多数のロールプレイエリアが存在する。Dungeons & Dragonsや The Lord of the Rings(指輪物語)の世界のようなハイファンタジー、サイバー化した人々が輝く街を闊歩するSF、マッドマックスや北斗の拳、FallOutのような、荒廃した世界を描くpost-apocalyptic(終末モノ)、性とバイオレンスを表現するGorやsubmissiveものなどなど。最近ではHogwarts; Your Storyというハリー・ポッターの世界観を再現したロールプレイが人気で、ロールプレイに興味がなかった層までを引き込んでいる。残念ながら、日本語環境で快適にロールプレイが楽しめるエリアは殆どないため、SLでロールプレイを本格的に楽しみたいならば、英語でチャットを(たとえできなくても無理やり)してみせる、という気合は最低限必要となる。言葉に問題があるなら、共通語を知らないキャラクターや、言葉を発することができないキャラクター、脳や言語機能、知能にハンディのあるキャラクター、クリーチャー、動物役を務めるなどやりようはいくらでもある。


今後書く予定
大抵の場合、SIM全域を使って、背景世界を再現した景観が作られる。
HUDを使った厳正なるシステム化がなされたものもある。

2011年9月17日土曜日

mainland/メインランド


mainland/メインランドは、Linden Lab.が最初から用意している公式の土地。現在上図のように9つの大陸が存在する。
1 Sansara 第一のメインランド もっとも古い土地
2 Atoll Sansaraの北部に接続された土地
3 Jeogeot 韓国名のSIMを多く持つ南方大陸
4 Satori 日本名のSIMを多く持つ中央大陸
5 Nautilus 諸島型メインランド
6 Corsica 諸島型メインランド
7 Gaeta V Gaetaシリーズは5まで作成される予定
8 Gaeta I Gaetaシリーズその2
9 Zindra Adult専用領域


関連エントリ:Second Lifeのシステム-土地情報編
関連リンク: メインランド価格および手数料


ずずいとワールドマップをズームアウトして見ると、筆者所有のparcelはGaeta Vにあることがわかった。東の端にぽつりと存在するのは、個人所有の土地。

2011年9月16日金曜日

SECOND LIFEのシステム-土地活用編

すべてをはしょって、あなたはある程度の土地をSecond Life内に持っていることにする。具体例を以って、SL内の土地の説明をしたいからだ。広さは・・・・・・とりあえず筆者が現在住んでいる区画と同じ、2048㎡にしておこう。プレミアムアカウント所有者が、維持費なしで所持し続けられる土地の広さである512㎡(16x32m)の4倍ということになる。土地はメインランドにある。

※メインランドについてはSecond Lifeのシステム-土地情報編 の ■SIMの成り立ち別分類 1)mainland(メインランド) を、広さ別土地の維持費については、公式サイトの メインランド価格および手数料 を参照のこと。


この土地区画(以下、parcel)の広さは先に述べたとおり、2048㎡、たてよこの長さは32mx64m。1SIM(256mx256m=65536㎡)の大きさと比較すると、上図のようになる。緑が所有parcel。赤は他人の所有parcel。黄は現在販売中のparcelとなる。意外と狭い。

2048㎡の土地は、標準で468個のprimitivesを置くことができる。ものづくりとプリムの話題は分けて書きたかったのだが、どうしてもここで触れないわけにはいかなくなった。SLではあらゆるものをユーザーが作成することができる。その"モノ"を構成する最小要素がprimitiveだ。みなprim、プリムと略して呼ぶ。以降このブログでは"プリム"と日本語で呼称する。

プリムはもともとこのような粗末な形をしているが

一部を切り抜いたり傾けたり、BlenderやMayaなど外部で作ったsculptedあるいはmeshのデータを読み込ませることでより複雑、繊細な形を表現することができ

いろいろな形のプリムを組み合わせて、適したテクスチャを貼り付けることで質感すら異なって見えるさまざまなものを作り出すことができるようになる。

さてこの右側オレンジ色の椅子、

カーソルを合わせると Prims: 11 というツールチップが浮かぶ。この椅子は11個のプリムが組み合わせられて作られている。つまり、現在話題としているこのparcelの限界プリム数は468。仮にこの椅子だけで土地を埋め尽くすとするならば、468÷11 = 約42.5 ということで、42個までしか椅子は置けない(前にも触れたがworldに物を現出させる、配置させることは一般にrezと呼ばれる)。これが土地の広さごとのプリム制限となる。限界を超えてrezしようとしたモノは、強制的にインベントリに戻される。そしてその強制的に戻す過程で、不具合を起こして永久に消えたりする。無理なrezは禁物。

そしてここからが肝心、バーチャルワールドSLにおける建築のおもしろさ。地面にしかモノを置いてはいけないというルールはない。アバターが自在に空を飛び、3次元的テレポートも可能とされているSLでは、上空4096mまでは、自由に建築が可能となっているのだ。2048㎡の土地を持っている場合、2040㎡x4096mの広大な3次元空間を建築に利用してよい。プリムが許す限り、高度100mおきに家を建てることだってできる。地上に本宅、空中に別荘と庭園を作るのも自由。地上の景観が見苦しい、隣人の姿が気になる、知らない人が歩いて入ってくるのはうれしくない。そんなさまざまな理由によって、空中に家を構える人も非常に多い。空中の家はskybox、skyhouseなどと呼ばれる。外界よりの視野をさえぎるため、壁で周りを囲んだハコ型の空間が人気だ。

地上3000mの上空に浮かぶ、個人所有のskyboxの例。

次はちゃんとしたものづくり基礎の話か、ついにいいかげんロールプレイの話か。長くなるのでまたあとで。プリムの話はどこで最初に触れるべきか本当に悩んだけど結局ここで書いてしまったか。

2011年8月3日水曜日

Second Lifeのシステム-土地情報編

バーチャル不動産王だの、レンタル業で大もうけだの、バーチャル土地ころがしだの お金儲けの一端として取り上げられがちだった、Second Life(以下、SL)の土地についての情報をこのエントリに記す。わからない単語が出てきた時ははじめのエントリを参照していただくとわかる場合もある。なお、土地の購入・維持には基本的にプレミアムアカウント(定額課金)が必要となる。ユーザーの運営する業者からのレンタルを頼りにする場合はこの限りでない。アカウント・課金の詳細については前エントリ Second Lifeのシステム-基本編 をお読みいただきたい。

●エリアレーティング
SLの世界を構成する、それぞれのSIM(simulatorの略。regionとも呼ばれる。エリア、地域。1SIMの広さは 256×256m =65536㎡)は独自のレーティングを持っている。その種類は3つ。

PG
(Parental Guidance)=General
もっ とも制限が厳しいSIM。"お子様にも安心です"とされる常識、ルールが適用される(といっても、SLをプレイするには18歳以上であることが必須の条件 なのだが。ティーンには専用のワールド、Teen Gridが用意されていた・・・・・・のだが廃止されたそうだ。2011年8月1日修正。ティーンが入場可能なのはPGのみ。)暴力、性を扱うコンテンツは特に厳しく取り締まられる。企業の キャンペーンSIM、大学など学術団体の所有するSIMはこのレーティングが多い。混み合ったPGエリアで裸体で銃を持って暴れまわれば、最悪ものの数分 で10件以上の迷惑レポートを送信され、即ban(ゲームからの追放)となることも大いにありうる。
現在、新ビューワ Viewer2.0の導入に伴い、名称がGeneralに変更されつつある。

Mature=Moderate
かつて成人向けとされていたレーティングだが、後述する新レーティング"Adult"の登場により、こちらが最も"ふつう"のランク付けとなった。性や暴力表現もある程度なら許容される。
現在、新ビューワ Viewer2.0の導入に伴い、名称がModerateに変更されつつある。

Adult
成人証明(公式サイトでの免許証、パスポート情報などの登録)が済んでいないユーザーは立ち入ることができない。文字通り、あなたの想像するような"アダル ト"な目的のプレイがなされ、アイテムが販売される場所として使用される。激しいエロティックな行為、もしくはバイオレンスロールプレイが行われる場所 や、装着型の性器、巨乳、付け乳首などが販売されるショップはこのレーティングでなければならない。アダルトな用途とは無関係に、素性のわからない人間を入れない"強力な人払い"としてこの レーティングを課しているSIMも存在する。

とはいえ、SL内に存在するSIMは、Linden Lab.が最初から用意している公式の土地(mainland/メインランド)+ユーザーが購入し、月課金を払って維持している個人 SIM(private island/プライベートアイランド)と合わせてその数は膨大。誰かが土地を新規に購入するたびにSIMは増えていく。すべてをチェックすることなどできない実情と、上記レーティングの差を正しく理解してい ないユーザも存在することから、多少のカオスが発生している。


例。 ケモノ姿のアバター(furry)にいわゆる"ぶっかけ"の視覚効果を追加するアイテムを販売するお店。本来なら、Adultエリアになければならない が、Matureの地域で見かけた。ちなみに 喜んでいいのか嘆いていいのか、Hentai界隈の知識が豊富な海外勢にはbukkakeでふつうに意味が通る。


このほか、土地(simであれ、simの一部を切り取った小区画=parcel)の所有者は、以下のような設定を所有地に対して行うことができる。
・土地の編集(地面の高さの変動など)権限
・飛行権限
・アイテム生成権限
・アイテム設置権限
・スクリプト実行権限
・落下・衝突などによるダメージのある・なし
・土地に流すストリーミングラジオ、メディアの設定
・push許可/不許可(注4)
・土地への進入許可(注5)
など

注4:他の住民を突き飛ばす行為・・・・・・相手を1億mぐらい吹っ飛ばせる武器と言うのがこの世界にはある。アバター同士には当たり判定があり、どすどす他人にぶつかることは失礼とされている。突き飛ばす行為も同様だ。
注 5:さらに細かく、成人登録していないユーザーの入場を禁止する、課金情報を登録していないユーザーの情報を禁止する、指定したグループに所属している ユーザーの入場のみを許可する、入場料を取る、ホワイトリスト・ブラックリストを使用して個人ごとに入場を許可/禁止する設定が可能。ただし、前者2つ (成人と課金登録)以外の入場制限は、高度50m以上の空間には効果がない。

さらに、SIMにはレーティングとは別に、土地の成り立ちの異なる2種類のSIMと、機能の異なる3種類のSIMが存在する。こちらを先に書くべきであったか。SIMまるまるひとつのサイズは前述したとおり、256×256m =65536㎡である。

■SIMの成り立ち別分類
1)mainland(メインランド)
Linden Lab.が最初から用意しているマップ。Lindenがつぶれない限り存在するというメリットがあり、購入費 用が安いが、維持費はLinden Lab.に支払う必要があるので、プレミアムアカウントを所有していない場合はレンタルに頼るほかない。すべての居住可能なSIMはfull sim(後述の■SIMの機能別分類を参照)である。ほぼ必ずほかのSIMと隣接しており、隣の派手な建物のせいで景観が台無し、というケースは非常に多い。すでにほとんどの場所は誰かの所有となっている。さらに、マンションで言えば角部屋にあたる、隣が海の地域は値段が跳ね 上がる。こまめに売り情報をチェックしてもなお、希望の位置・名前・価格のそろったSIM全体を買うのは難しい状況にある。
参考リンク:メインランド価格および手数料 (公式サイトより)

2)private island(プライベートアイランド)
resident(ユーザー)が所定の金額をLinden Lab.に支払って用意してもらう、自分専用の個人所有SIM。他人のどの土地とも接していない完全な独立空間を得ることができる。プライバシーが確保され、設定も自由自在。また、他のSIMと重複していない限り、自由な名前をつけることができる。購入できるprivate islandは、機能別に3種類用意されており価格が異なる。後述の■SIMの機能別分類、もしくはSecond Life公式サイトの プライベートリージョンの価格 を参照していただきたい。

■SIMの機能別分類
価格はprivate island =個人所有SIMを買う場合のもの。
1) full sim (別名full region。フルシム、フルリージョン)
最も標準的で、最大の機能を 持つSIM。サーバのCPU1つあたり、2つのfull simを稼動させる。にぎやかな商用地、ロールプレイエリア、大量のスクリプトを稼動させる目的の地域、バーチャルコンサート会場運営などを行うならこの SIMを使わないと苦しい。入場できる人数の最大は100名。設置できるprim(primitivesの略。これについても説明しないとなぁ。SL内の あらゆるオブジェクトを構成する最小要素となるブロック。)は15000。
価格: 1000ドル(約77500円) 月の維持費:295ドル(約23000円) 最大prim数:15000 最大収容人数:100人

2)homestead (ホームステッド)。
パワーをfull simのおよそ1/4にセーブしたSIM。ライトな使い方に向いている。金銭的に余裕のあるユーザがhomesteadを丸ごと買い、静かな孤立した自分 だけの城を作ったり、本店用SIMとして用いたりすることはよくある。ただし、"homesteadを買うには、すでに1つ以上のfull simを所有していなければならない"という厳しい購入条件がある。このため、homesteadだけがほしいユーザは、full sim を所有している不動産業者から、"個人的に"土地を購入する必要がある。支払いを巡るトラブルが起こる可能性があることは念頭においておかなければならな い。地主が支払い不能になって逃走→すべてのsimが稼動停止・消滅→一夜にして家なし、店なし になることもSLでは日常茶飯事。不動産業者はL$での支払いを認めている場合も多い。
価格:375ドル(約29000円) 月の維持費:125ドル(9600円) 最大prim数:3750 最大収容人数:20人

3)openspace (オープンスペース。別名void sim、環境sim)

さらに機能を絞ったSIM。full regionの周囲に配置し、森や海原を表現するのが主な目的。こちらもhomesteadと同じ購入必須条件があるため、同様の制限とリスクが存在する。homesteadの項目を熟読されたい。
価格:250ドル(約19000円) 月の維持費:75ドル(約5800円) 最大prim数:750 最大収容人数:10人

筆者は1年半ほどHomesteadを一般ユーザから購入し、所有していたことがある。家賃はL$23000/月の仮想通貨支払いで行っていた。これはかなり安いほうだと思う。日本の土地レンタル業者だと購入が30000円、維持費が12000円/月ぐらいが普通か、と思われる。誰もいない世界に一人でぽつんとしていたくて、ただそれだけのために持っていた。客を招いたことは1回しかなかったと思う。



暑くて疲れた。続きは元気が復活してからまた書きます。7/29少し追加。8/3新エントリとして移動。8/17やや記述を整理。
次のタスク:ものづくりの仕方と、各種設定(edit)できる世界の特徴については書いておかねば。
土地は上空も土地って言う話も。スカイボックスはいいものだ。このあたりは別エントリーで書こうとおもう。

2011年7月18日月曜日

Second Lifeのシステム-基本編

このブログはLinden Lab.の開発・運営する仮想世界(メタバース、metaverse)Second Life(セカンドライフ、以後SLと略す。よほどのことがない限りカタカナでは記さない)を体験していない/する気がない層を読者として想定しているにもかかわらず、この世界がどのようなシステムを持っているのかをほとんど説明していなかった。今月書くエントリ群は、SLのシステム周りをテーマにしていこう。

現在SLはWindows/Mac OS/Linuxに対応している。ゲームクライアントのことはviewer(ビューワ、この辺の単語はカタカナをメインで記すことが多いかもしれない)と呼ばれる。公式のもののほかに、さまざまな機能を追加したサードパーティビューワもいろいろある。さらにSLのソースコードはオープンソース化されているので、OpenSimAvination のような、SLとそっくりだが、別モノのメタバースもある。2つ以上のSL系メタバースで同時に住人として活動、あるいは商業活動をしているプレイヤーも多い。

話をSLのみに戻す。

●費用
SLのクライアントダウンロードと、基本プレイ料金は無料となる。
※以前(2004年以前)はワンタイム課金式で、アカウント作成時に$9.95$の費用が発生した。
アカウントを新規に作るたびにお金がかかる仕組みだった。

●課金
課金プランは大きく分けて、2種類存在する。

basic(ベーシックアカウント)
メリット:
・完全無料
デメリット:
・土地の購入不可(注1)
・Linden dollars(L$、ゲーム内通貨)を得る手段がない(注2)
・不具合がおきてもサポートを受ける資格がない(注3)

注1:プレミアムアカウントを持っているユーザの所有する土地を譲渡されたり、借りたりすることはできる。"お金があれば。"
注2:ワールド内で仕事やアルバイトをすれば稼げる。貢いでもらうことも可能だろう。現金で直接L$を購入する手段もある。
注3:迷惑行為などの通報(abuse report)はできる。

premium(プレミアムアカウント)
メリット:
・Linden Labから土地の購入・所有が可能
・512㎡までの土地は維持費なしで所有し続けられる
・Adult地域への出入りが許される
・毎週1回、所定額のお小遣い(stipendと呼ばれる)が支給される(注4)
・不具合に対するサポートを受けることができる(アイテム消失、土地設定の問題など)
・現在特典強化が図られている。月替わりギフト、プレミアムアカウント専用sandboxなど。 参考;New Premium Membership Features (公式サイト)

注4: 一般的にstipendはL$300/週。だがかつてはそれ以上の額が支給されていた。今でも、古いアカウント所有者がプレミアムへのアップグレードを行うと、当時と同じstipendの額が毎週支給される。

デメリット:
・お金がかかる
課金額は月払いだと9.95ドル/月(だいたい785円)、 3ヶ月まとめ払いだと22.50ドル/3ヶ月(だいたい1777円) (=7.50ドル/月)、1年分まとめ払いだと72.00ドル/年(だいたい5685円)(=6.00ドル/月)
※だいたいの日本円換算額は2011年7月18日午前10時現在のもの
・クレジットカード、またはペイパルのアカウントを持っていなければ課金の支払いは不可能

●仮想通貨Linden dollar
Linden dollar(リンデンドル、以下L$)は、ビューワの右上「BUY L$」のボタンを押すことで、いついかなる時でも、現金によって購入することができる。当然ながらこの方法はクレジットカード情報の登録が必須となる。購入したL$はすぐさま残高に反映される。引き落としは各クレジットカード会社の所定日に行われる。公式サイトからの購入も可能。
先ほど試してみたところ、現在1000L$はおおよそ4.1ドル(約324円)の模様。SL内のヘアスタイルや衣服といったファッションアイテムの平均価格は100~400L$ほど。

クレジットカード情報をLinden Lab.に渡すのが心配でたまらない、耐えられない、と言う場合には、日本語対応の換金業者がいくつかあるので、これらを頼るのが安心だろう。

仮想通貨とはいえ、L$はアメリカドルへの変換が可能となっている。ただし手数料が発生する。これを日本円にする場合、さらに為替の影響を受ける。現金に換える時は、どうやっても多少目減りする仕組みとなっている。

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2011年8月3日追記:ここ以降に記述していた土地に関する情報は、新たなエントリ"土地情報編”を設け、そちらに移行しました。長くなりすぎましたので。
間違いがあったらコメント欄で訂正をお願いいたします。